27/05/2022

Reports (Japanese)

2022年3月 濱美惠子・小松啓一郎監修
「COP26 と英国の産業政策 ―中小企業の事業環境に与える影響―」

本報告書では、英国の視点から COP26 と関連する英国の産業政策を理解するため、まず 2021年 3 月 16 日に発表された『競争時代におけるグローバル・ブリテン-安全保障、防衛、開発及び外交政策の統合的な見直し』から英国の COP26 の位置づけを見ていく。次に、2021 年 10月 27 日に発表された「秋季予算案と歳出計画 2021」においてどのような環境政策に予算が投入されるかを見ていく。それに続き、ボリス・ジョンソン首相の COP26 直後のスピーチ並びにその 3 か月後のアロック・シャーマ COP26 議長のスピーチから、英国にとっての COP26 の最大の成果を読み解く。続いて、英国が特に COP26 で力を入れていた「石炭」に関する現状や「金融」に関する政策的決定事項等を整理し、航空、海事、自動車を含む「運輸・交通」についても産業上のインプリケーションが大きいことから発表内容について簡単にまとめる。さらに温室効果ガスの排出量が多いことから排出ガス実質ゼロへの政策の影響を最も受けるとされる英国の鉄鋼産業についてクローズアップする。最後に、COP26 による中小企業の事業環境への影響についても触れる。

2021年3月 濱美惠子・小松啓一郎監修
「二つのチャレンジに立ち向かう英国の産業政策 パンデミックとポスト・ブレグジットの中で」

本レポートでは、新型コロナの感染拡大と EU 離脱後(ポスト・ブレグジット)が重なり、産業界側の方向性がいまだ固まらない中での英国政府の優先政策を、2020 年 11 月 25 日に発表された歳出計画における 2021/2022 年度(2021 年 4 月 1 日~2022 年 3 月 31 日)の各省庁の予算配分などから概観する。

2020年3月 森田美奈子・小松啓一郎監修
「ポスト・ブレグジットの英国‐歴史的転換期における国際貿易政策の行方‐」

英国は 2020 年 1 月 31 日に EU を離脱し、2020 年 12 月 31 日までの移行期間に入った。今後は、自由貿易協定(FTA)を含む英国と EU 間の移行期間後の将来関係の交渉が焦点となる。本レポートでは、EU 離脱後(ポスト・ブレグジット)の英国の通商政策に焦点を当て、今後の対 EU、対米含む FTA 交渉の焦点や課題について紹介する。

2019年3月 井上貴子・小松啓一郎監修
「ブレグジットと英国経済の将来ビジョン

英国は 2017 年 3 月 29 日に EU に対して離脱を通知し、その 2 年後である 2019 年 3 月29 日に EU 離脱日を迎える予定だが、離脱を 1 ヵ月後に控えた 2019 年 2 月末時点で英国は未だ EU と合意した離脱協定案の議会承認を得ておらず、EU と合意の上で離脱するのか、合意なく離脱するのか、離脱日を延長するのかも決まっていない。本レポートでは、議会における離脱を巡る動向の裏で行われている、EU 離脱後に英国が取るべき針路や経済モデルを巡る政府内の議論やシンクタンク等から出されている提案など将来のビジョンを紹介する。

2018年3月 井上貴子・小松啓一郎監修
「英国のサイバーセキュリティ体制の現状と課題ー中小企業の事業リスクの観点からー」

デジタル経済先進国を自認する英国にとって、国民の「信頼」を支えるサイバー世界の安全を守ることは死活問題だ。英国では、現在国家サイバーセキュリティ 5 カ年戦略が 2 期目に入っており、新たに設立された国家サイバーセキュリティ・センター(NCSC)を中心に、官民のリソースを結集し、国家全体のレベルの底上げを図る仕組みがうまく回り始めてきたところである。本レポートは、特に中小企業の経営リスクとしてのサイバーセキュリティという観点から、英国のサイバーセキュリティ政策と具体的な政策プログラムの概要、今後の焦点などを明らかにすることを目的とする。

2017年3月 井上貴子・小松啓一郎監修
「英国におけるフィンテック(FinTech)の現状と中小企業の事業環境に与える影響」

米国と並ぶ世界のフィンテックの中心地である英国では、中小企業に対する資金供給において、P2P レンディングを始めとするオルタナティブファイナンスは特に積極的な役割を果たすことが期待されている。英国政府は、自国を世界のフィンテックの中心地にすることを目標に据え明確なフィンテック戦略を打ち出して、様々な形で支援や環境整備を行っている。本稿では、英国のフィンテック産業を概観し、英国政府のフィンテック戦略の概要や特徴、
P2P レンディングのビジネスモデルを明らかにする。さらに、英国の EU 離脱がフィンテックに及ぼす影響についても触れ、フィンテックの将来のシナリオについて議論のポイントをまとめる。

2016年3月 井上貴子・小松啓一郎監修
「英国における21世紀型製造業戦略:中小企業の事業環境へのインプリケーション」

かつて世界有数の工業国であった英国では、1979 年に登場したサッチャー政権下で製造業から金融・不動産を中心とするサービス経済へのシフトが明確になった。英国政府は、製造業でも新しい時代に即した高付加価値産業への脱皮を促すべく、新たな製造業戦略を模索している。
英国は、日本にとって米国に次ぐ直接投資先(2014 年)であり、日本企業の進出が多い。中小企業が今後海外進出を通じた市場拡大を目指す際の検討資料として、英国の製造業の現状、政府の課題認識、環境変化、産業政策、ドイツ産業政策との比較などを通じて、英国製造業の今後の展望を考える。

2015年3月 井上貴子・小松啓一郎監修
「英国総選挙2015の争点 ー 中小企業の事業環境への影響 ー」

英国では 2015 年 5 月 7 日に議会の下院(庶民院)総選挙が実施される。これは 1801 年の初回から数えて 55 回目の総選挙で、第 56 回議会を構成する議員を選出することになる。選挙の成り行き次第では、今後英国が大きく進路を変更するシナリオも十分あり得る。その場合、中小企業の事業環境にも大きな影響が及ぶであろう。現時点で英国が置かれた現状と選挙の争点に対する各党のスタンスや世論の動向を概観し、今後総選挙の見通しとその後の政局を見ていく際の参考に供したい。

2014年3月 井上貴子・小松啓一郎監修
「サービス立国型英国の経済構造-中小企業の視点から-」

現在日本においては、中小企業の活性化が安倍政権の「成長戦略」の柱の一つと位置づけられている。日本の企業の大部分を占める中小企業の強化を図るためには、産業構造やビジネスモデルそのものを問い直す必要がある。そこでは日本の産業の根幹を成す「ものづくり」(製造業)のあり方も改めて見直し、成熟社会における望ましい産業間のバランスを考えることも求められるであろう。英国と日本を比較した場合、ユーラシア大陸の端に位置する小さな島国という点でいくつか共通性はあるものの、「サービス立国」の英国はやはり日本とは対照的な経済構造をもつ。本レポートでは、「要するに英国は何で稼いでいるのか」という問題意識を出発点として英国の経済産業構造について理解を試み、その中における中小企業の位置づけを明らかにしたい。すべてが日本にとってのお手本というわけではなく、反面教師の側面も多いかもしれないが、構造改革を迫られ転機に立つ日本の進路を考える際に、英国のケースも何らかのヒントになると考えるからである。